79回目の原爆記念日を三日後に控えた2024年8月3日、燃えるような炎天下の下、広島市立広島商業高校の生徒さんたちと古市学区の小中学生とその保護者の方々、約40名が平和記念公園に集まり、高校生による平和ガイドが行われました。
平和ガイドは四つのグループに分かれ、各グループ別々のコースで案内をスタートします。
同行したBグループは、まず原爆資料館の下から原爆死没者慰霊碑に向かって進み、男子生徒さんたちによる慰霊碑の解説です。
慰霊碑を正面から見ると、その延長線上に原爆ドームが目に入ります。
そこから真っ直ぐ北に向かって進み、平和の池の横を通り、平和の灯の解説を聞きながら原爆の子の像へと移動します。
解説は男子生徒から女子生徒へとバトンタッチ、その後は交互に解説を行います。
原爆の子の像は、被曝したことによって白血病となり、その快癒を願って千羽鶴を折った佐々木禎子さんを追悼したもので、“サダコの像”としてよく知られています。
炎天下なのでなるべく日陰に入って話を聞きます。
これは禎子さんが当時折っていた紙を模した折り紙で折った折り鶴です。
今の折り紙より少し薄いものでした。
原爆ドームの解説は、元安川をはさんだ対岸から行いました。
原爆ドームは被曝する前は産業振興館と呼ばれ、内部にらせん階段のある当時としてはモダンな建物として賑わっていました。
その少し西側に平和の鐘があり、鐘の表面には「世界はひとつ」を象徴する国境のない世界地図が描かれていて、鐘をついて平和を願います。
その後平和供養塔、韓国人原爆犠牲者慰霊碑へと巡ります。
この慰霊碑は、以前は王子の死没場所に近いということで平和公園を出てすぐ西側に設置されていましたが、その後それが差別的という理由で現在の場所に移設されました。
被曝した慈仙寺の墓石を見て、最後は昨年5月に広島で行われたG7首脳会議を記念して植樹された桜の木の解説を聞きました。
この桜は被曝した桜の木から接木した“被曝2世”で、植樹した翌年の今年の春、すぐに花を咲かせたことで話題となりました。
平和記念公園の中を巡るこの平和ガイドは約1時間、最後はスタート地点の原爆資料館下に全員集合です。
平和ガイドはガイドされる人に平和の尊さを伝えるだけではなく、ガイドする高校生自身に平和を継承する大切さを認識してもらう活動です。
原爆投下から79年経ち、被爆者による生の声が少しずつ遠ざかっている現在、次代を担う若い世代への平和継承活動はますます重要となっています。
コメントを残す